Review 序―復讐の章―
「…っぶねー」
そんな声が聞こえて来て、あたしは恐る恐る顔を上げて右目を開けた
そこで見たのは総が真夏の拳を掴んでいて
あたしは左目も開けた
…すごい
てっきりもうダメだと思ったのに
あたしの気持ちが伝わったのか、総はあたしの頭を撫でながら
「んな顔すんなって。俺を誰だと思ってんだ」
と微笑んだ
ついでにあたしの湿布があるおでこに軽くキスを落として
「どうしたんだよ、ここ」
ちょっと馬鹿にされたような気もするけど、良かった
やっぱり殴られるのも、殴られるのを見るのも嫌だからね
あたしたちのそのやり取りを見ていた真夏は、泣きそうに顔を歪めて幹部室を走って出ていった
「…じゃ、行くか」
「ん」
「ちょ、ちょっと待って」
「…んだよ」
うわあ、総顔顔!!
めんどくさいって思いっきり顔に出てるよ!
総の顔を見る海司の顔が引きつった笑みに変わる
翼に至っては顔が死んでる
めんどくさいを遥かに通り越してる
もう本当に遠慮を知れ!!
「……」
「だから、なんだよ」
「……」
翼は何も喋ろうとしない
コイツこのまま喋らない気だ!!
ずっと海司の顔を見ている
「聞いてんの?」
「あ、あのね。海司は君が何者なのか知りたがってるんだ」
一向に喋らない翼に代わり、海司が引きつった笑顔のまま質問する
海司が「そうでしょ?」と翼に聞けば、首がもげるんじゃないかって心配になるほど頷いていた
いや、喋った方がいいと思う
そう思いながら総を見上げた
…何だアイツって目で翼を見ながら、ゆっくりと口を開く

