SLAUGHTER GAME
買う物はもう殆ど無かった。
時間はもう2時を過ぎようとしていた。
店の商人の殆どは売れ残った売り物を
持ってきた時と同じように
牛の引く台車に乗せて帰り支度を進めていた。
「ねぇ、お兄ちゃん?」
リーシャは僕に話しかける。
「何?」
僕はきっとさっきの砂糖のお店の事だろうと
予想が付いていた。
「どうしてあそこのお砂糖はいけなかったの?」
ほら、予想通りの質問。
「あのお店何か『におわなかった』か?」
僕はリーシャにさっきの匂いの事を話した。
「におい??」
リーシャにはやはり
分かってはいなかった様だった。
僕はリーシャに「あれは薬品の匂いだよ。」
と告げて、他のお砂糖を売っているお店を探した。
リーシャは僕が薬品の匂いだと告げた時
なんだかとても不思議そうな表情をしていた。
そう、僕達が普段買い物に来る
この市場には時々『ふりょうひん』
というのが混ざっているのだ。
特に薬品の混ざっている物は最悪だった。