SLAUGHTER GAME
僕が部屋を出てまず向かった先は
母さんが使っている寝室だった。
ドアをそっと開けるとそこに風が吹き抜けた。
外の木々の匂いが僕の鼻をかすめる。
鳥が鳴いているのが聞こえる。
僕ははたきとほうきちりとりを持って、
さっさと掃除を始めた。
ほこり等はさほどなく、掃除そのものは
あっという間に終わった。
ごみ箱の中身も片づけて綺麗にしようと
その場に僕は屈み込んだ。
母さんの血の付いたティシュが
ごみ箱の中には溜まっていた。
僕は長い間それを見つめていた。
――――――――母さん。
もう先は長くないことは
担当の医者に言われていて
わかっている。
しばらくして一枚の写真を見つけた。
その写真には僕とリーシャがうつっていた。
――――――――でも母さんは諦めていない。
僕やリーシャもそのことがわかっていたから…
僕はその写真を枕のそばに置いて
母さんの部屋を後にした。