星に願っても…。


パンを食べながらウトウトしていたらタクがいきなり
 


「今日さ、久々に星見にいこ」



なんて言った。



「む。いいお。」



「食べながらしゃべるなよ、汚い。で、ユウは?」



「いくいく」



「よしっじゃぁ、帰り、リナん家よって行こ!」



「なんで?私の家?」



「え?だって望遠鏡お前ん家にあるじゃん」



当たり前だろって顔でタクが言う。



「ああ。そぉだった。」



望遠鏡。結構本格的なやつを三人で買った。中学生のとき。


最近はあまり使ってなかったけど、あるときからずっと私の家にいる。




「じゃぁ、決まりな。」



ユウが私の頭をポンポンとしながら立ち上がり伸びをした。



「ユウ、どっか行くの?」



「まぁね。呼び出しくらっちゃってるから。俺」



ユウはそう言ってニヤっと笑った。



「えぇ!めずらし!タクはしょっちゅうだけど、ユウが呼び出しなんて!!なにしたの?」



「ちょっと待て。俺しょっちゅうは呼ばれないから!たまーーにだから!」



「たまーーにってよく言うよぉ。テストの点数で呼ばれ、授業サボって呼ばれ…。散々佐野から説教されてるくせに」



「ちょ、俺、佐野に呼び出されたなんて言ってないから。」



「「はぁ?」」


タクと私。同時に声が出た。



「だから、俺を呼び出したの佐野じゃないから。んじゃ」



そぉ言ってユウは屋上を出て行った。


残された私たちは気づいた。



「「告白…!!!」」



「リナさん。これは行かなきゃ損ですなぁ(笑)」


「そぉですなぁ。タクさん。フフフフ」


「「おぬしも悪よのぉ」」



「よし、行こう!」


「うん!」



こういうことにいっつも首つっこんで、楽しんで、結局ユウに怒られる…。


分かっているけど、目先にある楽しさ求めて…。




私たちは走って屋上を出た。
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