コンプレックスな関係
「だいたいお前、男と居たんじゃねぇのかよ?別れたばっかだってのに、乗り換えんの早過ぎじゃねぇの?そんな奴だとは思わなかった」
「はっ?それこそ関係ないじゃない。問題をすり替えないで」
「すり替えてねぇよ」
「すり替えてるでしょ!」
ーーーって、ちょっと待った。
確かに、美和ちゃんに呼ばれるまで陽典君と居たけど。
なんで貴弥がそれ知ってんの?
そもそも、私が誰かと居たこと自体、貴弥が知ってるわけない筈で。
わけがわかんない。
「もぅ!お兄ちゃんやめてよ!ここ警察なんだよ?今日のお兄ちゃん、なんでそんなにイライラしてるの?」
見兼ねた美和ちゃんが貴弥の袖をぐいっと引っ張って、貴弥の意識はそちらに逸れた。
「……悪かった。美和はなんともないんだよな?」
「声掛けられただけだもん。しつこくされた訳でもないし。なのにお兄ちゃんってば…」
「悪かったって」
「莉生さんにもちゃんと御礼言ってよ。お友達と御飯行ってたのに、来てくれたんだから」