本当の私は甘いかも。
なんて思って大和をまじまじと見るとさらに大和の目つきがキツくなった。
あっやば。犬猿の仲なんだよね…。
「有理さん、一郎さんはどちらに?」
「あっ、幸子さんと一緒に他の方々の所に行かれたと思います」
私が松坂社長の問いかけに答えると何故か大和の表情がまたキツくなる。
うわ、凄い睨まれてるよ。
「分かりました。それでは失礼」
私は去っていく松坂社長にもう一度軽く頭を下げた。
そして…
この状況は何?
当然松坂社長と一緒に行くと思っていた大和が、今私の隣に立って私を睨み続けている。
どどどどうしよう。
ここは、仲が悪いんだし何となく離れても…
チラリと大和に視線を投げかけるとバッチリ目が合ってしまう。
「おい」
話しかけてきちゃったよぉぉ。
「………何」
なるべく素っ気なく喋る。
「お前、今暇だろ」
「はぃ?」
「ちょっと来い」
ぎゃっっ
大和は言うより早く私の腕を掴んで歩き出していた。
強い力で引っ張られ抵抗出来ず、つまずきながら後を歩くしかない。
「えっ!?いや暇じゃないって」
唯一の私の抵抗の言葉も虚しく無視され、そのままパーティー会場を出て人気の無い廊下まで連れて来られた。