緋~隠された恋情
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『あ~んあ~ん』


『泣くなよ。なんでお前が泣くんだよ。』


『だってお兄ちゃん可愛そう。』


『だからってお前が泣くなよ。』


小さい私、小さいおにいちゃん。


お兄ちゃんが捨てられた子だって知ったとき、

あたしは悲しくて泣いた。


そして、


『俺がお前を守るから。


 心配すんな。』


それが口癖だった。



両親が亡くなった時のお兄ちゃん


『ばあか、心配すんな、大学行く金くらい、俺が稼いでやるから。』


『お前が俺の幸せなんだよ』

お兄ちゃんとの思い出が、

わっと押し寄せる波みたいに一気に思い出される。


死ぬ前は走馬灯のように

いろんなことがめぐるって聞いたことある。


そっか

私死ぬんだな。


お兄ちゃんごめんね、

お父さん達の所に行くから大丈夫。


安心してね。


ズッキ~ン


「いたあぃ」


死んでも痛いんだ。


失敗した、痛くない死に方すればよかったなあ。


「ありさ!」


ん?

お兄ちゃん?






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