緋~隠された恋情
「植え込みに落ちたんだ。

 暗闇でお前探すの大変だったよ。

 生きててよかった。」

淡い光の月の明りが、

私たちの存在を少しだけ照らしていた。


両手で顔をつかみ私を見つめるお兄ちゃんの目には涙が浮かび、

顔には幾筋もの涙のの跡がついて

ぐしゃぐしゃの顔。


いい男台なし。


「ありさ。死ぬなんて考えるな。

 お前なしで俺が生きられると思うか?」


「すぐ手放す話ばかりするくせに。」

「馬鹿、手放すなんてしたいわけないだろ。


けど、しょうがないだろ、

 俺のものにするわけにいかないんだから。」


「してって言ったら?」


「は?」


「お兄ちゃんから離れるなんてもう四年間でたくさんなの。

 そばに置いて。


 いられないのなら、

 私 、生きる意味がないの。」



ズキン!


「っつ…」


体中の痛点が大合唱するように、

ズキズキと脈打ち始め、気絶しそうだった。


「ありさ!」


呼ぶかけえるお兄ちゃんの声は聞こえたけれど

もう反応することはできなかった。



私の意志に反してこれ以上の痛みを感じることを

脳が我慢できなかったんだろうか。


再び意識を失った。








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