緋~隠された恋情
「やめなさい君!彼女嫌がってるじゃないか」


「うるさいこんな女死んだほうがいいんだ、

 よくも俺を罠にはめやがって、

 お前のせいで、妻には逃げられ、会社もクビになった。」



「や…そんなのあたし知らない…」


「この女シラを切りやがって、

 電車の中で俺に濡れ衣着せたのを覚えてないのか」



「あなた、あの時の痴漢?」


「違う!俺はやってない! 無実だったのに!」


「さ、触ったじゃない!人の体に触っておいて

 よくも言うわ!」


「まだ言うか!ころすぞ!」


男はカッターを持つ手に力を込める。


さっきと違う場所の皮膚に刃が食い込んでいきそうだ

そのまま力を入れて横に引けば、

大量に出血するだろう。


「ひっ…

 ご、ごめ…んなさい。

 友達とちょっとしたゲームでやったの…あたしはあそこまでやろうとは思わなくて…」


「何がゲームだ、人の人生を弄びやがって… お前も殺して俺も死ぬ!」


その時だった俺は一瞬突き飛ばされた感覚がした




振り返ると

隣にいたはずの新が

犯人に飛びかかって取り押さえているところだった

犯人を抑えながら


「止めなよ、人殺しなんてしたっていいことないよ。

 あんたも死ぬ必要なんかないよ。


 本当のことはいつか認められるんだから。


『真実はいつも一つ』って、コナンもいってるじゃん。」



相変わらずさわやかな笑顔で犯人を諭しやがった。


「うるさい!」

男は持っていたカッターナイフを振り回した

無防備な新の足にガスッっとあたって止まった。


履いているスラックスがみるみると赤く染まり

それを見ている犯人は呆然として

真の足にカッターを残したままヘタりこんだ


周りの乗客がさらに犯人を取り押さえ

そうこうするうちに

警察が飛び込んできてで事件は終結を迎えたのだった。











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