緋~隠された恋情
「先生!」
警察の待合室でしばらく待たされ、
やがて浅尾が両親に付き添われ出てきた。
「ご迷惑をおかけしたそうで…
ご友人の怪我の方は?」」
父親の方が深々と俺に頭を下げ、
母親はおろおろしながら
浅尾の隣にいた。
「友人の怪我の方はたいしたことなかったので
気にしなくても大丈夫です。
浅尾の方の処分は追って学校の方で検討しますが、
しばらく家で待機させてください。」
「穏便にお願いします。」
「まあ、たまたま私がいたわけですが、
ここまで事件になると、
何もなしということにはできないのは承知していただかないと。」
「先生!」
「浅尾さんには多額の寄付金いただいてますし、
あまり大ごとのならないように処置いたしたいとは思いますが…」
「是非よろしくお願いします。」
近いうちに、多額の寄付金が、浅尾家から振り込まれることだろう
いずれ経営者となるためにもここで恩を売っておくのは得策だろう。
浅尾家はこれからも、いい縁として残ってくれるに違いない。
まあ、事件に巻き込まれたことは誤算だったが、
まさに、災い転じて吉となすだ。