緋~隠された恋情
高校に入学し半年経った頃、

平は帰ってきた。

そしてこう言った。

「覚えているよね。」

まるで私はあやつり人形のように

平の胸に収まり

組み敷かれた。

平は、私を何度も抱き

屈辱的な言葉を浴びせた。

私の心が傷つき壊れていくことを

楽しむように、

それから私が大学に行くまで

ひとつ屋根の下、

愛する兄のいる家で、

平に抱かれ続けた。

平は行く直前の私に

こう囁く。

「俺は新だよ。

 愛する男に抱かれている

 ほらもっと感じて?

 愛してるよ、ありさ。」


あたしは頭の中をお兄ちゃんの顔でいっぱいにして

嬌声を上げる。



 





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