緋~隠された恋情
にくい男の前で、愛する人を思い浮かべながら

自慰をしているような虚感。


「いや…もう、私…」


傷いて泣く私を抱きしめて、


「残念だったね。君が抱かれているのは俺だよ。

 君の愛している人が、このことを知ったら、

 さぞ傷つくだろうね。


 も、あいつの傷付いた顔は見たくない。


 ありさちゃんも同じだよね。


 だって愛してるんだものねえ?」


笑いながら、


悪魔のような言葉を吐く。



私は、クモの巣にかかった小さな小虫だ。


かかったまま放置され捕食されるのを待つ。


早く私を殺してください。



< 36 / 238 >

この作品をシェア

pagetop