碧色
ピピピッピピピッピピピッピピピッカチッ




「……………………」




「………ん…んーん…………………」





『晴(せい)!いつまで寝てるのー!早く降りてらっしゃーい!』






「………んぁ。ふあぁーあ。」






俺は石川晴(いしかわ せい)。
葵薔高校の普通科3年。
青色が好きで高校も名前に葵(あおい)って入ってるから選んだ。
母さんと、父さんと、妹と、ハムスターが家族の
いたって平凡で平和な男子高校生だ。


朝はいつも目覚まし時計と母さんの声で起きる。
朝一番にすること…。
カーテンを開けて空を見る。
晴れてたら1日気分がいい。曇りだとちょっとテンション下がる。


「今日は晴れてるかな~♪」





シャッ
カーテンを勢いよく開ける。





快晴。






「ぅおっしゃあ!キターーーーーー!!!!!!!」
自分でもバカだと思うけど嬉しいから仕方ない。







『晴!!騒いでないで早くごはん食べてちょうだい!!』







「わーかったよ!!今行くー!!」







階段を降りてリビングへ行くと珍しく妹が先に起きていた。







『兄ちゃん朝からうっさいんだけどぉ~!チョーありえなぁ~い!!』



こいつは…



妹の石川裕乃(いしかわ ひろの)。
羽並学園中等部2年。
最近話し方がウザったくてしゃーない。
元々美術部だったのに、2年になってからつるむ友達が変わったのか
部活もやめて、今はダンスを習ってる。
少し遅れて中学デビューってわけだ。



『裕乃。そういう言葉遣いはやめなさい。みっともない。』



よくぞ言った。わが父よ。



石川拓実(いしかわ たくみ)。
家の大黒柱だな。
あんまり喋ってくんないからよくわかんないけど。
旅行会社のけっこう偉いほうらしい。
俺はどっちかっていうと父さん似らしい。

『晴ー、いいかげん自分で起きなさいよー。
もう高校生なんだからもう少ししっかりしてちょうだい。』


はいはい。


石川葉子(いしかわ ようこ)。専業主婦だ。
母さんは優しい。なんだかんだ言って毎朝起こしてくれたり、
ごはんだって手を抜かない。
父さんが惚れるのもわかる気がする。



「あ!!!やべ!行ってきます!!!!」



『あーー!!!ちょっと!晴!お弁当!!』



「あ、ありがと!母さん!んじゃ、行ってきまーす!」



『行ってきますって…まだ早いじゃない…』

『ママ、ほらあれだよあれ。』

裕乃が窓を指差す


『…そういうことね……フフっ、相変わらずだわ晴は。』

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