My new boyfriend【短編】
「じゃあね、行ってくるから。パパとママによろしくね。」
「うん。いってらっしゃい。……ちょっと早いけど、メリークリスマス。」
「メリークリスマス。」
お姉ちゃんは綺麗な笑顔を残して、タケシさんが待っているのであろう、元気に家を飛び出していった。
「はあ、」
ひとりになった空間で、吐いたため息だけが響く。
「……アレックスの散歩、行かなきゃなあ。」
今日はずっと家のなかにこもっていたいけど、アレックスのためだ。
……何が楽しくて、クリスマスにウキウキ気分の恋人たちを見なきゃならないんだ。
繁華街に近い立地の自分の家をうらむ。