学園怪談2 ~10年後の再会~
……。
 教会での結婚。厳かな雰囲気に包まれた礼拝堂で響く賛美歌。バージンロードを歩いて神父の前で誓いの言葉、そして指輪の交換、キス。
 ……現実として、男の人は面倒くさがりな人が多いから、結婚式の準備だけで燃え尽きてしまって、実際の式の思い出を鮮明に覚えている人は少ないみたい。だから、後になって結婚式の映像なんかを見せると『こんなこと言ったっけ?』って、鳩が豆鉄砲をくったような顔になる人って案外多いみたいよ。
 私の友達でね、草薙遥っていう会社の同僚がいたんだ。私は結婚してからも働いているから今でも会社に行ってるんだけどね、遥は同期入社で私と凄く仲良しだったんだ。
 ……まあ、悲しいことに『~だった』っていう過去形になっちゃうんだけどさ。
「ねえねえ紫乃! 私ね、結婚することになったんだ!」
 お互いに19歳で入社し、仕事を3年間続けてきた戦友が、ある日喜々として私に報告してきた。
「わ~っ、おめでとう。よかったね。羨ましいな~。それで式はいつなの?」
「今年の6月よ。もう今から待ち遠しくて楽しみ」
 私は22歳という若さで結婚してしまう彼女を、早婚とは思わなかった。なぜなら、私も早ければ来年あたり、徹と籍を入れるつもりでいたからだ。
< 12 / 296 >

この作品をシェア

pagetop