学園怪談２ ～１０年後の再会～

　……やがて、少年は苦労の末に、極上のマジックを編み出し、一流ホテルの舞台で最後の試験ともいうべきショーに挑戦した。
　そこまでの経緯、少年のキャラクターを見てきて、彼を応援する気持ちがいつしか湧いていた。彼と同じく一流のマジシャンを目指すライバルたち、そしてマジックのネタを見破ろうとする厳しい支配人始めVIP軍。
　手元の動きに全神経を集中させる。そしてクライマックスと共に、これ以上ない昂ぶりが僕を包んだ……。
　……ジリリリリリ！
「はっ！　うわあああ！」
　目覚まし時計が僕を現実の世界に引き戻した。
　僕はなんと部屋の電灯にネクタイを巻きつけ、首吊りをしようとしていた。
　ガクッ！
　踏み台にしていたイスが倒れ、僕の首が絞まる。
「あぶぶぶぶぶ」
　僕はバタバタと足をばたつかせると、窒息しそうになりながらも必死に懸垂しながら身体を支え、足でなんとかイスを立て直すして事なきを得た。
「ゲホゲホゲホ、はあはあはあ」
　本当に唖然とした。もし目覚ましが鳴らなければ僕は今頃首を吊って死んでいたかもしれない。
「げほげほ、げえほ、でも、謎は解けた……」
　……それから僕は大急ぎで先生に連絡を取り、事件は解決に到った。

　……さーて、みんなは謎がとけたかな？　ヒントは映像という媒体、そして催眠……おおっと、これ以上しゃべったらバレちゃうね。しっかりと推理してくれたまえ！　（でも、これって怪談……？　という事で、次回、解答編に続くぞ！　お楽しみに！
残り３１話