学園怪談2 ~10年後の再会~
「あっ!」
私は思わず声を上げた。
目の前のサッカーボールが動いたのだ。
「あ、また動いたのか。もう本当に欠巻住宅だ。あ、学校だから住宅はおかしいか……」
自分の言葉に笑いながら、教室の隅へと移動を始めるボールを追う能勢さん。しかし……、私は確かに見た。ボールが動き始めた際に、一瞬だったけど左右へと激しく動いたのを。
「あれ、あれれ、あらららら?」
能勢さんがボールに追いついた時、ボールが能勢さんの手から逃げるかのように弾み始めた。
「う、あ、え? そんな、弾むなんて」
徹さんが隣で間抜けな声を上げた。でも、私も全く同じ気持ちだ。転がるだけなら説明はつきそうだが、弾むのは考えられない。
ポーン、ポーン、ポン。
ガシャッツ、パン、パン、バン。
「な、何なのこの音は?」
明らかに道具から出ている音じゃなかった。私の背筋にゾクリとした感覚が這い上がってくるのを感じた。絶対に何かがおかしい!
「ラ、ラップ音だ! この部屋でポルターガイストが起こってるぞ! みんな気をつけろ!」
大ちゃんさんが身構えると、雑誌が風もないのに凄い速さで捲られ始めた。ダンボールのフタが勝手に開閉を繰り返す。教室中のイスや机がガタガタと動き、大きな地震が起こっているかのような錯覚を与えてくる。でも、床やカベ、装飾物が揺れている様子はない。もしも大きな地震が起こっているのなら、私たちが立っていられる訳もないのだから、これは紛れもなポルターガイストだ。
「危ない!」
斎条さんの声が能勢さんに向けられた。能勢さんはその声に振り返るが、間に合わなかった。浮き上がった一個の椅子が、中央に一人でいる能勢さんを直撃した。
「うぐわっ!」
それを合図にしたように、様々な道具が能勢さん一人に襲いかかった。
ガガガ、ガシャアアアアン!
道具が能勢さんを覆い尽くすと、教室全体に起きていたポルターガイストが治まった。
初めから荒らされていた教室だったかのように、机やイスが散乱していた。
私の足元にボールが転がっていたが、動きを止めた後は二度と自分から動きだすことはなかった。
「能勢!」
大ちゃんさんが呆然とする一同の中、誰よりも早く中央へと飛び出した。
私は思わず声を上げた。
目の前のサッカーボールが動いたのだ。
「あ、また動いたのか。もう本当に欠巻住宅だ。あ、学校だから住宅はおかしいか……」
自分の言葉に笑いながら、教室の隅へと移動を始めるボールを追う能勢さん。しかし……、私は確かに見た。ボールが動き始めた際に、一瞬だったけど左右へと激しく動いたのを。
「あれ、あれれ、あらららら?」
能勢さんがボールに追いついた時、ボールが能勢さんの手から逃げるかのように弾み始めた。
「う、あ、え? そんな、弾むなんて」
徹さんが隣で間抜けな声を上げた。でも、私も全く同じ気持ちだ。転がるだけなら説明はつきそうだが、弾むのは考えられない。
ポーン、ポーン、ポン。
ガシャッツ、パン、パン、バン。
「な、何なのこの音は?」
明らかに道具から出ている音じゃなかった。私の背筋にゾクリとした感覚が這い上がってくるのを感じた。絶対に何かがおかしい!
「ラ、ラップ音だ! この部屋でポルターガイストが起こってるぞ! みんな気をつけろ!」
大ちゃんさんが身構えると、雑誌が風もないのに凄い速さで捲られ始めた。ダンボールのフタが勝手に開閉を繰り返す。教室中のイスや机がガタガタと動き、大きな地震が起こっているかのような錯覚を与えてくる。でも、床やカベ、装飾物が揺れている様子はない。もしも大きな地震が起こっているのなら、私たちが立っていられる訳もないのだから、これは紛れもなポルターガイストだ。
「危ない!」
斎条さんの声が能勢さんに向けられた。能勢さんはその声に振り返るが、間に合わなかった。浮き上がった一個の椅子が、中央に一人でいる能勢さんを直撃した。
「うぐわっ!」
それを合図にしたように、様々な道具が能勢さん一人に襲いかかった。
ガガガ、ガシャアアアアン!
道具が能勢さんを覆い尽くすと、教室全体に起きていたポルターガイストが治まった。
初めから荒らされていた教室だったかのように、机やイスが散乱していた。
私の足元にボールが転がっていたが、動きを止めた後は二度と自分から動きだすことはなかった。
「能勢!」
大ちゃんさんが呆然とする一同の中、誰よりも早く中央へと飛び出した。