学園怪談2 ~10年後の再会~
第60話 『タイムカプセル~前編~』 語り手 石田紫乃
紫乃さんの2話目が始まった。
「さてさて、10年の歳月が過ぎれば人は大きく変わるよね。特に私たち10代から20代にかけての変化は相当なものよね。実は私ね、十年前の夏休みに友達と一緒に校庭の隅っこにタイムカプセルを埋めてたんだ。」
そして紫乃さんはカバンから青いプラスチック製の球体を取り出した。
「え? 校庭に埋めてたんですか? 凄いですね、よく今まで掘り起こされずに残ってましたね」
私は素直に感動し、同時に自分にそんな経験がないことを残念に感じた。
「今日、本当に今さっき掘り起こしてきたばかりだからね、私も実は何を書いたか覚えてないんだ。だから開けるのが本当に楽しみ」
すると紫乃さんはカプセルをを机の上に置き、能勢さんの助けを借りながら開けた。
中からは防水、腐敗対策されたビニール袋が出てきた。
「は~、何か緊張しちゃうな。やだな~、変なことが書いてあったりしたら」
緊張しつつも苦笑いを浮かべる紫乃さんの手の中で、ビニールに包まれた紙切れが2枚取り出された。
私や斎条さんは、食い入るような視線を注ぐ。
「なんで2枚なんだ? 手紙を書いたのは紫乃ちゃんだけじゃないの?」
能勢さんの言葉に紫乃さんは首を振った。
「ううん。卒業の時にね、私と……もう一人の友達とで埋めたんだ。とっても仲の良い子だったんだよ……。彼女は何て書いたんだろうね」
紫乃さんの2話目が始まった。
「さてさて、10年の歳月が過ぎれば人は大きく変わるよね。特に私たち10代から20代にかけての変化は相当なものよね。実は私ね、十年前の夏休みに友達と一緒に校庭の隅っこにタイムカプセルを埋めてたんだ。」
そして紫乃さんはカバンから青いプラスチック製の球体を取り出した。
「え? 校庭に埋めてたんですか? 凄いですね、よく今まで掘り起こされずに残ってましたね」
私は素直に感動し、同時に自分にそんな経験がないことを残念に感じた。
「今日、本当に今さっき掘り起こしてきたばかりだからね、私も実は何を書いたか覚えてないんだ。だから開けるのが本当に楽しみ」
すると紫乃さんはカプセルをを机の上に置き、能勢さんの助けを借りながら開けた。
中からは防水、腐敗対策されたビニール袋が出てきた。
「は~、何か緊張しちゃうな。やだな~、変なことが書いてあったりしたら」
緊張しつつも苦笑いを浮かべる紫乃さんの手の中で、ビニールに包まれた紙切れが2枚取り出された。
私や斎条さんは、食い入るような視線を注ぐ。
「なんで2枚なんだ? 手紙を書いたのは紫乃ちゃんだけじゃないの?」
能勢さんの言葉に紫乃さんは首を振った。
「ううん。卒業の時にね、私と……もう一人の友達とで埋めたんだ。とっても仲の良い子だったんだよ……。彼女は何て書いたんだろうね」