学園怪談2 ~10年後の再会~
……。
「その後、僕はとにかく放心状態で家に辿り着いた。あの後どうやって戻ってきたのかも、モリチンと何を話していたのかも覚えていないんだ。まるで時間を飛び越えてしまったかのようにね」
私は能勢さんに微笑んだモリチン、そして生霊と化した彼のお兄さんを想像して思わず身震いをした。
「それで、そのモリチンという人とはその後?」
能勢さんは長ズボンをまくりながら言った。
「それから彼には会ってないよ。今頃はニュージーランドにいるって事らしいけどね。今となっては彼とライブハウスで体験した事が現実だったのかもあやふやなんだ……でもね、5年近くも経つのに……消えないんだよ」
……そして、まくり上げられたズボンの下から見えた能勢さんの右足首には、はっきりと人間の指の跡と思われるアザが残されていた……。
残り38話
「その後、僕はとにかく放心状態で家に辿り着いた。あの後どうやって戻ってきたのかも、モリチンと何を話していたのかも覚えていないんだ。まるで時間を飛び越えてしまったかのようにね」
私は能勢さんに微笑んだモリチン、そして生霊と化した彼のお兄さんを想像して思わず身震いをした。
「それで、そのモリチンという人とはその後?」
能勢さんは長ズボンをまくりながら言った。
「それから彼には会ってないよ。今頃はニュージーランドにいるって事らしいけどね。今となっては彼とライブハウスで体験した事が現実だったのかもあやふやなんだ……でもね、5年近くも経つのに……消えないんだよ」
……そして、まくり上げられたズボンの下から見えた能勢さんの右足首には、はっきりと人間の指の跡と思われるアザが残されていた……。
残り38話