学園怪談2 ~10年後の再会~
……僕の声は震えていた。それはモリチンの言葉や表情から怖くなっただけじゃなかった。モリチンの姿を映し出している鏡、そこに……映っているのだ! 有り得ない筈のモノが!
「自殺した男が生霊となってライブハウスに来る客を脅かすんだ」
……僕は見た。鏡に映し出されたモリチンと、そのモリチンの……足首を掴む青白い肘から先の手を。
「モ、モモモ、モリッ、モリリ」
あまりの衝撃的な光景に舌が回らない。
「なんだよ、どうしたんだよ。そんなに怖がらなくてもいいって」
無表情だったモリチンは笑顔を見せ、僕にゆっくりと近寄って来る……足首に手首をぶら下げたまま。
「そ、それ! あ、あああ、足に!」
僕がようやく指を指しながら叫ぶと。
「な、何だよ~、何もないじゃないか。そっれよりそろそろ帰ろうか?」
まばたきをする間に、モリチンの足首から手が消えた。
「な、何も……ないな」
……僕が見たのは幻だったのだろうか? 今は鏡の中のモリチンには何の変化もない。
「じゃあ帰ろうか。少し寒くなってきたし」
「そうしよ……」
僕は動けなかった。
……僕の足を何者かが掴んでいたのだ!
再び鏡を見た僕の目に飛び込んできた光景は、僕の足を掴む青白い腕だった。
「モ、モリチ……!」
心臓が飛び出るかと思ったよ。だって、僕に背中を向けていたモリチンの首から、垂れ下がるようにして、人間の上半身がくっついていたんだから。
「ヒ、ヒイイイ」
そんな恐怖とパニックに陥った僕の前で、ゆっくりとモリチンが振り返った。
「能勢チン、そんなに怖がらないでよ。大切な……大切な僕の兄さんなんだからさ」
そしてニターッと笑うモリチンの首筋から、同じ笑顔の青白い顔が僕を見ていた……。
「自殺した男が生霊となってライブハウスに来る客を脅かすんだ」
……僕は見た。鏡に映し出されたモリチンと、そのモリチンの……足首を掴む青白い肘から先の手を。
「モ、モモモ、モリッ、モリリ」
あまりの衝撃的な光景に舌が回らない。
「なんだよ、どうしたんだよ。そんなに怖がらなくてもいいって」
無表情だったモリチンは笑顔を見せ、僕にゆっくりと近寄って来る……足首に手首をぶら下げたまま。
「そ、それ! あ、あああ、足に!」
僕がようやく指を指しながら叫ぶと。
「な、何だよ~、何もないじゃないか。そっれよりそろそろ帰ろうか?」
まばたきをする間に、モリチンの足首から手が消えた。
「な、何も……ないな」
……僕が見たのは幻だったのだろうか? 今は鏡の中のモリチンには何の変化もない。
「じゃあ帰ろうか。少し寒くなってきたし」
「そうしよ……」
僕は動けなかった。
……僕の足を何者かが掴んでいたのだ!
再び鏡を見た僕の目に飛び込んできた光景は、僕の足を掴む青白い腕だった。
「モ、モリチ……!」
心臓が飛び出るかと思ったよ。だって、僕に背中を向けていたモリチンの首から、垂れ下がるようにして、人間の上半身がくっついていたんだから。
「ヒ、ヒイイイ」
そんな恐怖とパニックに陥った僕の前で、ゆっくりとモリチンが振り返った。
「能勢チン、そんなに怖がらないでよ。大切な……大切な僕の兄さんなんだからさ」
そしてニターッと笑うモリチンの首筋から、同じ笑顔の青白い顔が僕を見ていた……。