愛を知る日まで
そうか。俺を助ける大人なんてのはこの世にいないのか。
ガキのうちから早々に悟ってしまった俺はますます捻た子供になってしまった。
助けるつもりもねえのに、俺に関わるんじゃねえよ。
そんな思いに囚われた俺は差し伸べられた手を払い噛み付かんばかりに睨みあげるようになった。
悪循環。
捻ねくれたガキの俺に周囲は「やっぱり親がいないと」だとか「これだから施設育ちは」と無責任な中傷を浴びせる。
何か問題が起きれば真っ先に戦犯の矛先が向くのは俺だった。
「どうせまた柏原がやったんだろ。」
「あいつは本当に厄介なヤツだな。」
--俺じゃない!俺は何もやってない!
そう叫ばなくなってしまったのはいつからだろう。
誰も俺を信じてない。
誰も俺を必要としていない。
俺なんかいなければいいと思ってる。
大人には厄介者扱いされ、子供には恐れられ、俺は誰にも受け入れてもらえない人間になっていた。
孤独が俺の心を閉ざし、閉ざした心がますます人を遠ざける。
『お前を助ける大人なんざいない』
そう吐き捨てた施設長の言葉はまるで呪いみたいに
着実に、俺を孤独へと追い込んでいった。