愛を知る日まで
学校でも施設でも、安らげる場所なんて何処にも無かった。
いつだって俺の心は牙を剥いていて、荒んだ様はまるで手負いの獣だ。
空腹を満たす飯と、身体を横たえられる寝床さえあればいい。
温もりとか安らぎとか、そんなものは何処にも無かったし求めてもいなかった。
楽しい事なんかひとつも無い。
俺はいつだって他人の笑顔の外に居た。
俺自身、生まれてから笑った事なんかあっただろうか。もう覚えてもいない。
浅い記憶を辿ったところで、この施設での地獄の日々しか蘇ってはこなかった。
この頃の俺には、本当に何もなかったと思う。
獲られるものも、与えられるものも。
恐ろしく孤独で恐ろしく空虚な人生。
けれど、それでも俺は抗い生き続けた。
ただ必死に、この命が尽きないようにこの心が折れないように生きていた。
全てに拒まれ見棄てられて。
だからこそ
絶対に生き抜いてやると、その執念だけが俺を強く生かしていた。