愛を知る日まで
…プレゼントねえ…。
俺はバイトの帰り道で、おっさんの言ってた事を思い出しながら夕方の道を歩いていた。
そう言えば真陽の喜ぶ顔が見たいと思いながら、その発想は無かったな。
プレゼントなんてきらびやかな物とは無縁な人生を送ってきたから、思いも付かなかった。
そっか、プレゼントか。
考えながら顔が綻ぶ。
真陽を喜ばせられるかも知れないと思うとワクワクが止まらなかった。
けど、人に何かあげるなんて考えたコトもない俺は、何をプレゼントすればいいのか皆目見当もつかない事に気付いた。
「…プレゼント…?」
首を捻り頭を悩ませながら、俺は夕暮れの住宅街を一人歩いた。