愛を知る日まで



『ごめんなさい、事情があって連絡が出来ないでいました。しばらく電話は出来ません、ごめんね』



短いメール。


けど、それは俺を心の底から安堵させた。



良かった…怒ってたワケじゃない。俺に呆れて愛想を尽かしたワケじゃない。嫌われたんじゃなかった。


そして、その安心は堪えがたい衝動になっていく。



会いたい。会いたい。会いたい。


すごく淋しかった。心配した。その思いを全部、真陽にぶつけたい。


あのちっちゃい身体を抱きしめて、ぎゅうぎゅうに抱きしめて、もう離さないって言ってやりたい。


けれど、何か知らないけど未だ電話も出来ないと云う状況の真陽がうちに来てくれる可能性は低い。


じゃあ一体いつになったら会えるんだ。


堪えがたい衝動。


早く会いたいのに。



その想いだけで、俺の頭は埋め尽くされていって


どうして彼女が連絡の取れない日々を送っていたかなんて、俺は考えもしなかった。







< 157 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop