愛を知る日まで
俺が、雉さんに連れられて隣県の児童養護施設を見に行ったのは、それから3日後の事だった。
雉さんの紹介で行くとは云え、一応面接も兼ねているらしい。
俺は雉さんが用意してくれた慣れないスーツをぎこちなく着てその養護施設へと向かった。
電車を乗り継いで3時間掛かった辺鄙な場所に、そこはあった。
『児童養護施設 みどり学園』
広い庭と3階建ての古いけどキレイな建物。
平日だから子供がいなくて静かだったけど、職員室とプレートの掛けられた部屋へ雉さんと入っていくと
「あらあらいらっしゃい、遠かったでしょう、よく来てくれたわね」
と、賑やかなおばちゃんが俺達を出迎えた。