愛を知る日まで




俺は、部屋に弛く冷房を入れておくと、寝ている真陽を置いて近所のコンビニへと出掛けた。


真陽が何時に帰っちゃうかは分からないけど、とりあえず昼飯は用意しておいた方がいいなと思って。


素足にサンダルを履き、ペタペタと夏の熱いアスファルトの上を歩いて、いつも愛用しているコンビニへ入った。


冷房の効いた店内をグルリと見て回る。どうしよう、何がいいかなあ。パンとか弁当じゃ味気無いかな。


迷いながら商品を見ているうちに、パスタの乾麺が目に入った。


そうだ、ナポリタン作ってやろう。あれなら自信あるんだ。テレビで上手く作るコツを覚えてから俺の得意料理だし。


ワクワクした気持ちになって、俺は必要な材料を籠に投げ込んだ。

ケチャップとベーコンと、野菜はまだ家にあったから…
あと、必要なモノってなんかあったかな…


買い忘れが無いか店内を見て回っていた俺は、ある棚でふと足を止めた。



…………買っておくべきだよな。


そう考えて雑貨の棚の隅に置かれていた小さな箱に手を延ばす。


真っ昼間から行き付けのコンビニでこれを買うのもちょっと恥ずかしいけど。
まあいいやと開き直って俺は昼食の材料と一緒にコンドームの箱を籠に入れた。




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