青いブレスレット
少し経って、わたしたちは教室に戻ることにした。
「…紗奈ちゃん」
何も話さず教室の手前まで来たら、千夏ちゃんが口を開いた。
「…千夏ちゃん?」
千夏ちゃんはニコッと笑って言った。
「大丈夫だからね」
…あ。
またわたしのこと励ましてくれてるんだ。
「…ありがと」
上手く笑えたか分からないけど、千夏ちゃんにお礼を言った。
教室に入ると、女子たちはやっぱりこっちをちらっと見て何か話す。
「雪川さん、山寺、おはよう」
…水原くん!
さっき来たのかな?
「おはよ!」
わたしは水原くんの肩をポンと叩いてみた。
水原くんは少しびっくりしたみたいだけど、すぐに笑った。
水原くんには前にもエリカのことで迷惑かけちゃった。
だから今回のことは水原くんには知られないようにしないと。
もう、迷惑はかけたくない。