青いブレスレット

少し経って、わたしたちは教室に戻ることにした。


「…紗奈ちゃん」


何も話さず教室の手前まで来たら、千夏ちゃんが口を開いた。



「…千夏ちゃん?」


千夏ちゃんはニコッと笑って言った。



「大丈夫だからね」


…あ。

またわたしのこと励ましてくれてるんだ。


「…ありがと」


上手く笑えたか分からないけど、千夏ちゃんにお礼を言った。



教室に入ると、女子たちはやっぱりこっちをちらっと見て何か話す。



「雪川さん、山寺、おはよう」


…水原くん!

さっき来たのかな?


「おはよ!」


わたしは水原くんの肩をポンと叩いてみた。


水原くんは少しびっくりしたみたいだけど、すぐに笑った。



水原くんには前にもエリカのことで迷惑かけちゃった。


だから今回のことは水原くんには知られないようにしないと。



もう、迷惑はかけたくない。
< 121 / 377 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop