青いブレスレット
「千夏ちゃん…ちょっといいかな…?」
「え?」
わたしはさりげなく千夏ちゃんの制服の裾を引っ張って廊下へ出た。
でも廊下も人が多い。
少し歩いて人通りの少ない廊下に来た。
「紗奈ちゃん、どうしたの?」
「千夏ちゃん…あのね…」
わたしは昨日のことについて全部千夏ちゃんに話した。
千夏ちゃんは黙って真剣に聞いてくれた。
「…じゃあ、エリカちゃんのせいで紗奈ちゃんが悪口言われてるかもしれないの…?」
「…はっきりそうと言えるわけじゃないけど、他に思い付かなくて…」
千夏ちゃんは少し悲しそうな顔をした。
「そんなのひどいよ…紗奈ちゃんは悪くないのに…」
さっきの状況にわたしはどうしていいか分からなかったけど、千夏ちゃんが親身になってくれてるだけで少し心が軽くなった。