ビター アンド スノウ
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2人の思い出の中には、いつだって雪があった。
雪国に住んでいる私たち。
出会いの日も、初めてのデートの日も、初めてのチューの時も、…未来を約束したあの日も。
2人のムードを後押しするかのように、柔らかい優しい雪が降っていた。
「なぁ、柚。」
シュンちゃんの、高くもなければ低くもない、標準的な男の人の声が、耳を撫でる。
耳にすんなり馴染み、心地よく響くそれは、もう既に過去の美しい記憶。
「俺たち、ずーっと、一緒にいれたらいいな。」
恥ずかしがり屋で、照れ屋なシュンちゃんが、初めて口にした、私たちの“未来”だった。