*双子ちゃん*

「教室に入ってきたときは、”あたし”で、俺と話してたら、”俺”。んで、さっきは”マオ”って呼んでたし。」



「あ、ははは、ははは…」



あんなにマオと言葉遣い練習したのにな…


あたしは、笑って誤魔化した。


「ホント、おもしれー奴だな。ま、これからよろしくな、マオ。」


「え??さっきマオって…」


呼び捨てで呼んだ…よね??


「んだよ。呼び捨てで呼んだらいけねーのかよ。」


「い、いや、別に…。」


急に呼び捨てで呼ばれてびっくりしただけなんだけど。


なんか、佐久間くんって、少し短期??だな。


「だから、俺のことも隆二って呼べよ。な??」


佐久間くん…じゃなくて、隆二は少し笑ってるように見えた。


「あ、うん。」


やっぱり隆二って優しいのかも…


だって、口下手なあたしでも、こんなに話せるんだもん。


さっそく友達ができたあたしは、今日から始まる高校生活に胸を躍らせた。