俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



「え?」

「ほら、あなたの上司もいいって言って下さってましたし…行きましょうよ」

 俺は「あ、あぁ」と慌てて立ち上がった。

「それにあなた、彼女いないんですよね?なら、私といても別に平気ですよ」

 今更、いるなんて言えない俺は曖昧に頷いた。

 高校生だった時の俺なら、こんな曖昧な言い方なんかしなかった。普通に本音だって言えた。

 俺、前と変わったな。人は変わるとか言うけど、こんな変わるものだとは思わなかった。

 会議室を出て外へ向かう途中で俺たちは互いに名前を名乗った。

「俺、真木博斗って言います」

「真木、ってあの有名なカンパニー商社の?」

 俺は頷いた。

「そうだったんですか…。私は日野原佳代子っていいます」

 俺は佳代子を見た。大きなアーモンド形の目、筋の通った鼻。小さな口元に浮かんだ笑み。長いポニーテールがクレオパトラカットだったら、花梨にそっくりだと俺は思った。

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