らぶピクチャー(完)
「・・・なんなんよ。」
前に歩きたかった。
あの男の子のことが気になった。
でも、どうしても足が震えて行かれへんかった。
うちは自分の病室に戻った。
ゆっくり時間をかけて、さっき一緒にいてくれた男の子のことを思いながら、一人帰った。
ベッドに座り、ただただ自分の足を、手を見つめた。
震えは少しずつ治まっていったけど、それでもうちの心の中は未だパニック状態のまま。
たまたまやったのに・・・。
たまたま、朝パパにぶつかって、女の子にぶつかって、自転車にぶつかって、ここに来た。
たまたま、車いすの男の子に出会って、一緒に公衆電話のところまで行って、倒れた。
ホンマに全部がたまたまやのに、それが偶然には思えへんくらい、ことが淡々と進んでいった。
「っなんなんよぉ・・・っ。」