らぶピクチャー(完)

「お姉ちゃん、大丈夫?」




そこにいたんは、さっきのあの男の子やった。


うちの頬を流れてた涙が、一瞬にして止まった。




「なん、で?君、さっき・・・」




「お姉ちゃん、泣かないで?ごめんね、僕が心配させちゃったよね・・・」





「鈴木さん、さっきはありがとう。この子、軽い発作だったのよ。早く教えてくれて助かったわ。」




車いすを押してきてくれたらしい看護師さんが、うちに向かって軽くお辞儀をした。




男の子も「ありがとう」と可愛らしい笑顔で笑った。





「そ、そうなんや・・・。そっか・・・そうかぁっ・・・っ」



「お姉ちゃん?」




さっき一瞬で止まった涙が、また流れ始めた。




「鈴木さん、どこか痛む?」




「いえっ、ちゃいますから。大丈夫ですっ」




涙をパジャマの袖で拭いて、何とか笑顔をつくった。

< 32 / 362 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop