空に託す想い~叶多*空夏~





私が、向かったのはがり勉四人組がいる一年七組の教室



そう、流星のメンバーが揃ってる教室だ。





ちなみに、私、風花、海斗は一年四組、彩乃は一年三組だ。






ガラガラガラー







「叶多!」






今回も、大きい声で人の名前を呼びながら突然入ってきた二人の女子に、みんなの視線が集まる。






「おい、叶多って誰だ?」






少しして、状況を把握したのか、そんな声が出てきた。




しかし、叶多は動こうとしない…



だから、私は最前列にいる叶多に近づいていく。


もちろん彩乃も一緒に






私が机の前に来たときようやく叶多が動いた






「やぁ、空夏。

そんなに慌ててどうかした?」





分かってるくせに!


イライラする気持ちを押さえて冷静に答える





「どうかした、じゃないよ。

海斗は、海斗はどこにいるのさ

叶多知ってるんでしょ?」






「海斗って?」






ニヤって笑う叶多にイライラが増していく。


でも、ここで切れたら叶多の思うつぼのような気がするから、押さえる。



「空風のNo.2」




「あー、うちに潜入してきたあのバカのこと?」




さらにニヤッて笑ったと思ったら、次に飛んでもないことを言った。




「今頃死んでんじゃね?」



自分の顔が真っ青になるのが分かる。


叶多への怒りより、海斗が心配だった。



「海斗はどこにいるの!?」



動揺を隠せない私の声はきっと震えてただろう。



「教えて欲しかったら同盟、組んでくれるよね?」



もう一度ニヤッて笑う叶多


こんな最低な奴だったなんて…



でも、今は海斗の方が大切だから、彩乃と顔を見合わせて頷き、私は決意したように叶多に言った。




「わかった。流星と同盟組む。

だから、海斗の居場所教えて?」




「海斗がいるのは……」



バキッ



叶多が海斗の居場所を言ったと同時に私はおもいっきり叶多を殴った。


不意討ちだったこともあり、私の拳は叶多の頬に当たった。


でも、さすがの流星トップ、勢いをうまく殺して、その場所から動くことはなかった。




「あんたは最低だよ。

でも、海斗の居場所を教えてくれたことには感謝する。

だけど、もし、海斗が助からなかったら……

そんときはあんたのこと絶対に許さない!」



殴ったことでクラスの子達が騒ぎ始めたから、私と彩乃は急いでその場を離れた。


私は海斗の元へ


彩乃は同盟を組むことと、「海斗は私が連れ帰るから安心して」と風花に伝えに言った









< 18 / 113 >

この作品をシェア

pagetop