空に託す想い~叶多*空夏~




ハァ、ハァ、ハァ





海斗無事でいて。



お願いだから…







「海斗!!!!!」






叶多に教えて貰った場所に着くと、海斗が倒れていた。


急いで海斗の所へ行く


海斗はぐったりとしてて、気を失っていた。



「ソ、ラ、カさん…」


ゆっくり海斗の目が開いた。


「海斗!!!

良かったー。」


海斗が目を覚まさなかったらどうしようって不安だった。


目覚まして良かった。



ほんとに、良かった…



「大丈夫…ですよ。だから、泣かないで……ください」



私の頬に涙がつたうのに気づいた海斗は、苦しそうな表情で、自分のことより、私のことを気遣ってくれた。



海斗の足に切り傷があり、そこから血が出続けていることに、今更ながら気づいた私は、持っていていたタオルで足を縛る。



その後、私は救急車を呼びながら、海斗にずっと声を掛けた



「海斗、海斗しっかりして」



何度も何度も…



救急車が来るまでずっと声をかけ続けた。


今、気を失ったら、もう目覚めない気がするから…





ピーポーピーポー





遠くで救急車の音が聞こえる



「海斗救急車来たよ。

だから、もう大丈夫だよ!」



少しでも明るく振る舞う。



海斗が不安にならないように……




「風花さんに…

伝えてください。

好きって…

幸せになってくださいって」



それだけ言うと海斗は気を失った。



え!?


うそでしょ?



「そんなこと自分でいってよ、海斗~!」



私の叫び声が虚しく響いた……








海斗が病院に運ばれて緊急手術をしてる間に彩乃と風花が駆けつけた。



私の近くに来た風花に


「風花、ごめんね」



静かに頭を下げた。



頭を上げた私は風花の返事を聞かずに病院を後にした。





後ろで彩乃が私を呼んでるのを無視して……











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