ALONES
“面倒事が嫌いな癖に騎士やってんのかお前”
ランベールの悪意無い言葉が、頭の中を巡る。
こんなにも残酷な世界で、こんなにも…必死な人がいるのに。
ヨアは両腕の中に顔を埋めて小さく呟いた。
「なんで…騎士なんてやってんだろ。」
誰にも聞こえない、誰にも届かない。
いつだって、おれの罪を誰も咎めやしない。
「なんで、おれがここにいるんだろう。」
無機質な冷たさを放つ短剣を握り締めて、俯いた。
少しだけ故郷の事を思い出してしまった。