『無明の果て』
そしてまた、市川が特修でアメリカに行った日に、偶然となり合わせた事を聞いて、何とも言葉が見つからなかったよ。

岩沢が言ってたぞ。


”俺の若い頃と似ている“ってな。

市川。
頑張りすぎるな。

市川、いや鈴木君の奥さんだな。」



巡り合わせと言ってしまうには何か物足りない、別の力が働いてでもいるように、理屈ではなく体得していく人生が、私の運命なんだと強く思わずにはいられない。



そして、生きて行く中での体験を、いつか私も岩沢のように語れる日が来るように。



明後日からの別の門出を、けっして忘れる事のないように。
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