『無明の果て』
「わかったよ。

でも打ち合わせで何度か会う事になるけど、いい?
その時言うけど。」



「うん、了解。

温泉の前は集まるの?」



「多分、その前の日かな。」



「温泉行けなくなったりしないよね。」



「何を心配してるの?
麗ちゃん、怒るよ。」



一行はほとんど私のマンションから仕事に出かけるようになり、先に帰ったとき、たまに食事の準備までしていてくれる。



パスタだったり、カレーだったり。



「あなたお帰りなさい。

ご飯が出来てるわよ。」



なんて言いながら。



そんな毎日が過ぎ、確実に休暇へと近づいて、それは元カノと顔を合わせる時も目の前だと云う事である。




そしてその日、一行は遅くなるときは連絡すると言った。




夜中三時になっても、一行は戻らない。


早朝に出発予定の夢の温泉休暇は、実行されるの?



どうしたというの?


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