『無明の果て』
「もしもし、一行。

明日は初日ね。
寝坊しないでよ。」



「麗ちゃんこそ大変だよ。

辞表出したら、俺のせいだと思われる。」



「だってそうだもん。」


四十を前に、女がひとりでいるだけで、世間は見方を変える。


そんな事はもうとっくに慣れてしまったけど、また 別の注目を浴びる時が来た。



一行、あなたが一人前になって、その時にまだ私が輝きを失っていないなら、その時は私の方からあなたの元へ飛込んでもいい?



私からプロボーズしてもいいですか。


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