オレ様専務を24時間 護衛する

京夜side



数日前に父親から連絡を受けた。


毎年恒例の謝恩パーティー。

俗に言う感謝祭のようなもの。


芸術、武術、スポーツ、芸能等の分野の著名人。

さらに、政治家を始め、財界の大物が

こぞって招待されるハイクラスのパーティー。


『御影』が、そのパーティーに今年も招待されている。

20歳を過ぎた頃から当たり前のように

両親と共に出席するようになっていた。


勿論、俺の隣りには……

気持ち悪い程の笑みを浮かべた

『見知らぬ女』がいるワケだが。



“女嫌い”の俺にとって、

腕を組んで歩くだけでも吐気を催すというのに

社会的な立場上、無碍にも出来ず

俺は仕方なくその場を必死に繕って来た。


両親が勝手に決めた相手を連れ歩くだけ。

決して俺の本意ではない。


けれど、『御影の御曹司が連れる女性』等と

翌朝には勝手に恋人認定される始末。

中には、『結婚棒読み』等と

馬鹿げたガセネタを掲載する出版社まで。



俺自身、そんなガセネタを鼻で笑って無視するが

もう1人の当事者は、目の色変えて口にする。


『皆様、温かく見守って下さいね』


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