オレ様専務を24時間 護衛する


さっきは動揺し過ぎて、

アイツに肝心な事を聞いてない。


―――――――いや、待て。


アイツが『女』だとして、

何故、両親はアイツを俺のもとへ送り込んだ?

………分からない。


『女嫌い』と分かっていて『女』を送り込んだ。

……荒療治をする為か?

それとも俺が本当に『男』が好きか試してるのか?

………分からない。


けれど、何かが……あるハズだ。



それに、そもそもアイツは何で

『男装』までして俺の護衛を?


ああぁぁぁ~~~ますます混乱する。

一体、アイツは何者なんだ?

両親は俺をどうしようというのか。



混乱する頭を抱え、大きくため息を零す。



『今度の護衛役を引き受けた人は、何事も完璧にこなすから…』

『お前にとって、その者が最後のチャンスだ』


―――――甦る、両親の言葉。


松波をクビにしたら、親の決めた相手との結婚。

俺にはアイツ以外、後は無い。


煮えくり返るような想いをグッと堪えて…。



まずは、アイツが『女』だという証拠を掴もう。

話はそれからだ―――――――。


< 164 / 673 >

この作品をシェア

pagetop