オレ様専務を24時間 護衛する


「何かご用ですか?」

「あの……」


何やら言い難そうに顔を歪め、

直ぐ真横まで来た彼女は小さな声で呟いた。


「受付前にいらっしゃるお客様が専務室へご案内をご希望で……」

「へ?」


三上さんの視線の先には

こちらに鋭い眼光を向けている女性が1人。


バーリーウッドカラーの清楚なワンピース姿で

艶気のある真っ直ぐな黒髪が印象的。


どこかで見覚えのあるような……。


彼女に視線を向けていると、

突然、私達の元へ歩み寄って来た。


「松波さん、後は宜しくお願いします!!」

「えっ?……ちょっと、三上さん!!」


三上さんは黒髪の女性を避けるように足早で受付へと戻って行った。


そして、目の前に現れた彼女。

フッと口角を上げた顔に見覚えがある!!


――――――パーティー会場で彼と話してた人だ。


私は一先ず会釈し、用件を伺おうと顔を上げると


「あなたが専務秘書ね?……京夜さんの所に案内して下さるかしら?」

「えっ……あっ………」


あまりの迫力に圧倒されてしまった。

身長は私より10㎝近く低いのに

何故か、見下ろされてる感覚に陥る。


………ううん、人として見下されてるんだ!!


< 402 / 673 >

この作品をシェア

pagetop