オレ様専務を24時間 護衛する

希和side



2週間ぶりの帰省。

私は軽い足取りで実家へと向かった。



門塀をくぐり、アプローチを歩み進めていると

2階のベランダで洗濯物を干している母親の姿を見つけた。


幸いにも洗濯物に視線を向けている為、

私には気付いてる様子は無い。


ヨーシ!………驚かせちゃおう!!


私は静かに玄関戸を開け、忍び足で2階へと向かった。



両親の寝室の掃出し窓に掛かるカーテン。

窓が開いているせいもあり、ゆらゆらと揺れている。


私はそーっとそれに近づき、ゆっくりと開けた。



「お母さん、ただいまぁ~~!!」

「ッ?!!」


私の声に驚いた母親は、

まさしく『鳩が豆鉄砲を食らった』ような顔をした。


「どどど、どうしたの?!」

「えへへへっ、驚いた~?」

「そりゃ、驚くわよ!」

「あはっ、大成功☆」

「もう!帰るなら帰るで、連絡くらい寄こしなさいよ」

「えぇ~?!それじゃあ、驚かせられないじゃん」

「もう、ホントにこの子ったら……」


口調はちょっと呆れた感じだけど、

表情は凄く嬉しそうにして、

歩み寄った私をギュッと抱きしめてくれた。


「ただいま…………お母さん」


< 535 / 673 >

この作品をシェア

pagetop