オレ様専務を24時間 護衛する
「ほら~のぶちゃ~ん!そのくらいにして、奥さんを旦那さんに返しておやりよ~」
「ブォッ……ゲホゲホッ……」
「あら、大丈夫かい?お茶が気管にでも入ったかねぇ」
「だっ、大丈夫です……ッ……」
ちょっとガサツっぽく背中を叩く年配の女性。
俺が咽ているのに気付いた彼女が駆け寄って来た。
「京夜様、大丈夫ですか?!苦しくはありませんか?少しお背中を擦りますね?」
「だ、大丈夫だから……」
すかさず俺の背中を優しく擦る彼女を見て、
「あらあら、今どき珍しいねぇ、若いのに……」
「へ?」
「言葉遣いからして、妻の鏡だねぇ」
「お兄ちゃん、こんな出来た女房、中々居ないよ?」
完全に勘違いされている。
俺が『彼女じゃない』と言ったから、
『彼女じゃない=妻』だと認識されたようだ。
けれど、彼女が出来ている人間だという事は熟知している。
だから、俺は…………。
「そうですよねぇ、俺には勿体ない女性(ひと)です」
「なっ///////」
俺の言葉に照れる彼女。
そんな俺らをご婦人2人は微笑ましく見つめている。
彼女はそんな視線に耐え切れず、