オレ様専務を24時間 護衛する
自分の胸に手を当て、ゆっくりと深呼吸する。
ダメだ。
トクントクンと物凄い速さの鼓動が。
自分の本当の気持ち。
私は彼が………好きなの?
『好き』がどこから始まるのかが解らなくて、
この感情がそれなのかさえハッキリしない。
ただ、言える事は、
私以外の人間に彼の護衛兼お世話係をやらせたくないという事。
そして、あわよくば、
私を『女性』として、見て欲しくて………。
昔と変わらない澄んだ瞳で私を見て欲しい。
キラキラと輝いて見える横顔を間近で見たい。
そして、優しくしなやかな指先でそっと髪を撫でて貰いたい。
そんな風に思うという事は………
『好き』になってしまったという事なんだよね?
カーディガンの胸部分をギュッと掴み、
自分の心に素直に問いかける。
それはあまりにも切なくて……苦しくて、
どうしようもない程、締め付けられる息苦しさが襲って来た。
今頃気付くなんて、遅すぎるよ。
もう、どうする事も出来ないのに……。