HELLO,goodbye.


もうなにもかも嫌なのに。

この世界にいることさえ拒絶したいのに

楓が命をかけて守ったものが私の命なら 私はそれを守らなければいけない。

(楓はきっと、私がこう考えることだって分かっ ていたんでしょう?)


狡くて優しい、残酷な男。


「あんたのことだけ考えてれば すぐに終わるんでしょう?」


「あんたの思い通り。少なくともこの一週間は、それ以外頭にないわよ」

だから、さっさと目覚まして


「いい加減…いくら綺麗でもあんたの寝顔だって飽きたから」


早く、私を抱きしめて

もう何にも迷わず 素直に抱きしめ返すから。



< 11 / 33 >

この作品をシェア

pagetop