HELLO,goodbye.


「……は?」


そんな楓の怪訝な声も悪くない。

それでいいんだ。
私は頭をさげたまま、掌をギュッと握り締める。

大丈夫。覚悟はしてた。
少なくとも、優しい声が聞けるなんて、笑顔が見れるなんて思ってない。



『余計なこと考えてねーでここにいろ』

何度も怖くなって楓から離れようとした私を、いつも簡単に見透かしてしまう生意気な楓も


『俺はお前のもんだ
 壊したいなら壊せばいい』

愛おしそうに目を細める楓も


私は覚えてるから。

いつだって思い出せる。



「…だれ お前」

「…っっ…、…」



『純、お前は俺が好きなんだろ
 いい加減受け入れろ』


私が全部覚えておくから。


だからもう、十分だ。


思わず目頭が熱くなるけど、泣いてしまっては余計に楓の記憶に残ってしまう。

どうしても、涙は見せちゃいけない。


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