ストーカー風紀委員と可哀想な不良
ムッとした顔の沢井

俺、間違ってねーハズだぞ

「いや、だから。ほんとアホですね、ピィちゃん先輩!そんなにアホでチビでガリで卒業できるんですか?」


「アホ以外は関係ねぇ!!つぅかアホっておまえ後輩の分際で!!」

ムカつきのあまり、ソファから起きあがって怒鳴ると、いつの間にか椅子を立ってた沢井にいつものように抱きつかれる

・・・いや、いつものようにっていうか・・・

「俺、別にホモでもムッツリでもないですよ。まー遊んだのは認めます。適当に寄ってきたのつまんでました」

軽―――い!
俺が言える立場でもないけど軽いなコイツ!!

「いやでもそれはピィちゃん先輩追っかけるまでの話で!」

慌てて言い訳始める沢井は初めて聞く焦った早口で続けた

「ストーカーとか、いやそうかもしれないですけど好きんなったのは初めてで、しかも思ったより全然オチなくて」

――あ、あたりまえだろ!あんなんでオチたら俺もヤベェよ!ホモってかM?!

「・・・愛情表現あんまわかんなくて」

あー・・・
わかった。アレだ

「おまえ今までの人生うまくいきすぎたんだろ・・・」

乾いた笑い半分、あとちょっとした年下らしさや人間らしさがおかしくて笑うの半分で言う

まぁ、返ってきた答えは相変わらずムカつく

「はい。女も成績も教師や親からの信用も、あとうち金持ちなんで小遣いも、全部欲しいだけ手に入りました」

「いやーぁ。すんばらしいねーつい殺意抱くわー、俺」

なんなら今ここで刺してやりたいぐらいだ
なんでもかんでも持ってやがって
そりゃーマトモな人間にならねーよ

「・・・だからですね。俺ピィちゃん先輩だけなんですよ、ホント。欲しくて欲しくてたまんなくて、けどどうやったらいいのかわからなくて毎日拉致ってもそっから何したらいいのかわからないし」

そ、それであの意味不明な昼休みの「お話」か!!!
なんか色々間違ってるぞおまえ!

しかも、と
まだ続ける沢井の言葉を、とりあえずは余計な茶々入れずに最後まで黙って聞いてやることにした
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