ピエロ-私と中年男の記録-
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私の火傷は何百度の凄い火傷だったらしい。

確信するのがイヤで、直視しなかった。

ただ、簡単に皮が剥けたことが、目に焼き付いて離れない。

気分が悪くなる。


私は子供だったが、父の気持ちはよく分かった。



ほりゃ、自分の娘が凄い火傷したんやもんなぁ…。私が悪くてしたんちゃうもんなぁ…。


妹は、私を見て悲しい顔。


父が気にして私に話しかける。

「調子はどうなん??」

「別に。跡は残るらしいけど。」

「跡は残るらしいけどって…。お前がたいしたこと無いと思うんなら、まだマシやけど…。」


父は力が抜けたようにソファに座り込んだ。
ずっと下を向いている。


きっと、ピエロでも話題になってる。



小指のおっちゃんも悲しい顔してる。
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