残酷Emperor


1ーG組 教室。

「健二、大丈夫?」

相当今朝の出来事が頭にきてるのか、健二は机に突っ伏したまま無言だった。

今朝から、もうずっとこんな感じだ。

一方、桐嶋さんはと言うと……。


取り巻きに囲まれ、上品な笑顔を浮かべながら、お昼を食べている。


「うわ、やばい! かわいすぎるわ桐嶋さん!」

「だよなー、俺今だに話せねーもん。勇気ねえ」


クラスメイトの彼女を見る熱い視線。

まあ、可愛いけど、うん。

「健二ぃ、お昼食べないなら私食べちゃうから! めっちゃお腹空いてるもん!」


そう言い健二のお弁当箱に触れる。

ピクッ

健二が私の声に反応する。

私はニヤリ、と口元が上がる。


単純な健二には、これが1番!
育ち盛りの男子高校生にお昼抜きはキツいでしょう?

だけど、次の言葉は私の予想を……


ーー180度超えてた。


「いらねー」

「は? 何言ってんの? 今日唐揚げ弁って言ってたじゃん、いらないわけ?」

健二は暗い表情のまま立ち上がると言った。


「……マジ食欲ねーわ。お前にやる」


は、はあああああ!?


ちょ、健二……まじで頭おかしくなったんじゃ……。


「へ? え? ちょっと待ってよ! 待ちなさいよ!」


「……」


健二は無言で教室を出て行ってしまった。

あーあ、まじで何なの?



「じゃあ、ほんとに食べちゃうから……」



健二のお弁当箱を両手で包み私は呟いた。


< 12 / 15 >

この作品をシェア

pagetop